くそみたいに報われない仕事

英国在住の日本人ライター、ブレイディみかこの「ザ・シット・ジョブ」は初の自伝的小説となっているが、小説として読むと面白くなく、他の著作同様に、英国底辺社会に住む底辺託児所保育士みかこさんの咆哮として読むといつも通りの面白さに、みかこさんの半生が加味されていてなおおもしろい。


この本の神髄は
「ブルシットジョブよりも、問題はシットジョブだ」の一文に限る。


ブルシットジョブとは「くそどうでもいい仕事」のことで、3年ほど前に、アメリカの人類学者デイビッド・グレイバーが書いた本「ブルシットジョブークソどうでもいい仕事」によって広まった言葉である。
グレイバーのいう「クソどうでもいい仕事」とは、コンサルタントとか中間管理職とか、企業コンプライアンス従事者とか…、どうも待遇のいい職種がやり玉に挙げられていて、そういう仕事に限って給料がよく、本当に必要とされるエッセンシャルワーカーなどが賃金安いのは狂っている…というかんじである。こんな調子なので、左派といわれる人たちは飛びついた。


でもみかこさんは言う。


くそどうでもいい仕事よりも、問題なのはくそみたいに報われない仕事なのだと。


社会の欺瞞をくそ下品(すみません!)な言葉で罵っているのがいい。


くそみたいに報われない仕事とは、店員、作業員、配達員、ケアワーカーなどである。コロナ禍ではさいしょ忌み嫌われ、その後エッセンシャルワーカーとして持ち上げられ、現在平地(つまりくそみたいに報われない仕事の位置)に叩きつけられている人手不足の仕事である。


エッセンシャルワークほど素晴らしいと、それでもなお言いたい人はご一読を!

社労士myoumyoう

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