ひとりだろうと二人だろうと親方は親方のはずだが…

一人親方。


はて?(朝ドラの寅子風)一人親方とはいかなるものか?


親方ならわかる。幸田露伴の小説「五重塔」に出てくる大工が十兵衛。その十兵衛の親方が源太。(小説では十兵衛が親方の源太を差し置いて五重塔を建てるといってきかない…)


源太は十兵衛がいるので一人ではない。ただの親方である。親方というからには経験も技術もあるベテランである。


経験も技術もあるベテラン(ラテン語を根源とする言葉で、古い・年老いた、退役軍人が本来の意味だが転じて経験や実績を持つもの)だが、弟子とかがいない、自分一人でやっている人を「一人親方」という。


本来は。
しかし実態は、雇用という形態によらず、社会保障の不安定なまま建設業などに従事している者を言うようである。


もとより正式な用語(いわゆる法律用語)ではないため、社会保障負担を回避するために大量に生み出されていると推測される。


経験も技術もないひとりぼっちの「親方」がいっぱいいるということだ。国民健康保険も未加入(保険料滞納)、国民年金も未加入(保険料滞納)、労災の特別加入もない。もしかしたら親の扶養になっていて、仕事中のケガを業務外と偽らざるを得ない状況かもしれない。社会保障の不安定さも問題だが、経験も技術もないのに「親方」扱いで、仕事も指南してもらえずかもしれない。


以前、「現場監督」をしているという若者から相談を受けたことがある。1か月間タコ部屋に入れられて「現場監督」になる研修を受けて、現場に配属されたがなにもわからずどうしていいかわからない。他の現場監督がみんな残業しているので仕方なく自分も残業している。(残業代は出ていた)しかし、毎日が苦痛である。とうとう朝起きられなくなった。辞めたいと言ったら研修に要した費用を払えと言われた。どうしたらいいか…


研修用の試験用紙を見せてもらった。合格点に達しないといけないという建前ではあるが、再テストは内容が同じであった(笑)これ、金かけてないやん。踏み倒していいのんとちがう?


払う必要ない。辞めればいい。請求されたら労基署に訴えればいいと言っておいたが、どうなったのか…精神的に追いつめられているようなので、心療内科に行って診断書書いてもらえば?とも言っておいたが。おそらくそれを見せればやめれるはず。だって、自分たちでやってることわかってるはずだもの。


親方もおなじようなものではないか?


ひとりであろうが、弟子がいようが、誰かを雇用していようがいまいが、「親方」である以上親方であって、素人ではないはずである。


社会保障の枠外にいる者を指す言葉としては皮肉が効きすぎている。


社労士myoumyoう

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